
四柱推命に少し慣れてきた方なら、「格局(かっきょく)」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
その中でも、ちょっと特別扱いされる「完全格(かんぜんかく)」や「従化五格(じゅんかごかく)」という分類があります。
この「完全格」、知れば知るほど奥が深く、命式によっては人生の方向性や得意分野までもが驚くほど明確に見えてくることも。

この記事では、完全格/従化五格について初心者にもわかりやすく、具体例を交えながらじっくり解説していきます。
目次
四柱推命における「格」とは?
格局(かっきょく)の基礎知識
四柱推命では、生まれた時の「年・月・日・時」の干支(十干十二支)をもとに命式をつくり、そこからその人の性質や運命を読み解きます。
その際、命式全体のバランスや方向性を見極めるための「型」があり、それを格局と呼びます。
格には「正官格」「偏財格」「印綬格」などがあり、日干(にっかん)を中心に周囲の干支との関係性で構成されます。
完全格/従化五格が特別な理由
通常の格局は日干の力がある程度強く、自立したエネルギー構造をもっています。
一方で「完全格」や「従化五格」は、日干が非常に弱く、周囲の星に完全に“従う”ことで成立する、特殊でレアなパターン。
そのため、命式の全体バランスや特定の条件を満たすことが必要で、占い師でも判断が難しい格として知られています。
完全格とは?従化五格の定義
「完全格」とはどんな格?
「完全格」とは、日干(本人の象徴)が非常に弱く、周囲の星(五行)に完全に従っている状態をいいます。
たとえば、日干が木なのに木を助ける星がまったくなく、逆に火や土など他の五行ばかりに囲まれている場合などです。
このとき、日干は“自我”を手放し、環境に順応することで運が開けるとされ、特別な命式とみなされます。
流派による扱いの違い
完全格は流派によって細かな定義が異なります。
- 「従化五格(じゅんかごかく)」と呼ばれることも多い
- 条件が厳しく、「月支の通根がない」「扶助星がない」「抑制星が強い」などが必要
- 「棄命(きめい)」という表現を使う流派もあり、これは“自我を捨てて従う”という意味
これらの違いを理解するには、複数の命式を見て比較する実践力が重要です。
完全格の種類(代表的な従化五格)
完全格には主に以下の5つのタイプが存在します。それぞれに成立条件があり、意味合いや持ち味も異なります。
従財格(じゅんざいかく/棄命従財格)
- 財星(お金や現実)に従う命式
- 日干が弱く、財星に完全に囲まれている
- 現実的・実務的な能力が高く、ビジネス向き
従官格(じゅんかんかく)
- 官星(秩序・ルール)に従う命式
- 社会の枠組みの中で能力を発揮
- 公務員や組織向き
従殺格(じゅんさつかく)
- 七殺(偏官)に従う格
- 強いリーダー性や冒険心が特徴
- 起業家や戦略家に多い
従児格(じゅんじかく)
- 食神・傷官(表現や創造)に従う
- 表現力や芸術性が高く、自由奔放な面も
- 芸術家・クリエイター向き
殺印相生格(さついんそうしょうかく)
- 七殺と印星が共存し、相互補完している格
- 強い個性と支援を受ける特性あり
- 政治家や専門職に多い
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命式例で見る完全格の見分け方
従財格の命式例と分析ステップ
例:日干=乙木(弱い)、他の柱すべてが庚・辛(金)や戊・己(土)など
- 日干を助ける木・水がゼロ
- 財星(金)に囲まれている
- 月支が金なら月令を得ており、さらに従いやすい
日干が環境に従う構造のため、従財格が成立しやすい。
他の完全格タイプとの比較
- 従官格:官星(甲・乙)が多く、日干がまったく対抗できない
- 従殺格:七殺が強く、日干が従属
- 従児格:食神・傷官ばかり、日干が弱く主張できない
「身強 vs 身弱」のチェックポイント
- 月支が日干と同じ五行であれば「身強」
- 月支が異なり、助けがなければ「身弱」
- 周囲の通変星とのバランスがカギ
完全格を持つ人の特徴と強み
性格傾向
- 自我よりも“流れに乗る”のが得意
- 専門性や個性が光る
- 社交性が高く、周囲との連携で力を発揮
向いている分野・職業
- 従財格:経営、金融、不動産、営業
- 従官格:行政、教育、法律、企業内管理職
- 従児格:芸術、音楽、デザイン、SNS
- 従殺格:ベンチャー、スポーツ、交渉業
対人関係での傾向
- 周囲にうまく合わせる能力が高い
- 強いリーダーや支援者との協力関係で伸びる
完全格のリスクと活かし方

偏りゆえの弱点
- エネルギーの使いすぎで疲れやすい
- 周囲の状況に左右されやすく、自分軸がブレやすい
流れに乗るか、抗うか?
- 「従う」ことがテーマの命式
- 無理にリーダーシップを取るよりも、環境に順応した方がうまくいく
ケアのポイント
- 補助星(印綬など)を活用してサポートを得る
- 環境を整え、合う場所・人と組む
- 健康管理やメンタルケアを怠らない
自分が完全格かどうか調べるには?
命式読みの基本ステップ
- 日干と月支の関係をチェック
- 日干を助ける星の有無を確認
- 財・官・殺・印などが一方向に偏っているかを判断
流派による違いを理解する
- 流派によっては完全格の条件が緩い/厳しいことも
- 自分の鑑定がどの流派に基づいているか知ることが重要
他人の命式との比較も効果的
- 家族・友人などの命式と比較し、構造の違いを見てみる
- 命式アプリや無料サイトも活用可能
まとめ

完全格は「運命に委ねる」ことで光る命式
完全格は、特定の方向性に完全に従うことで、その人の持ち味が最大限に活かされる命式です。
現代ではマイノリティ性や専門性の象徴ともいえるでしょう。
完全格でなくても、命式には価値がある
自分が完全格でなくても問題ありません。
四柱推命の本質は「自分の個性と資質を知り、どう活かすか」にあります。
次のステップ:もっと深めるには?
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